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2015年5月12日 (火)

高天原山と大蛇倉山

高天原山と大蛇倉(だいだくら)山はあまり知られていない山です。長野県の南相木ダムのすぐ東側の、長野県と群馬県の県境の尾根(県界尾根と呼ぶことにします)の上にある1978mと1962mのピークです。高天原山は「蟻ケ峰」という名前も持ってます。蟻ヶ峰は一茶の「蟻の道雲の峰よりつづきけん」を連想してしまう名前です。   

この二つの山に、あの「御巣鷹の尾根」から登る登山道があります。今は「登るための登山道」ですが、事故の当初は墜落現場に「下る」ために付けられた道です。長野県側の三川から県界尾根を越えて墜落現場に下るための道だったはずです。   

あの事故から30年経ちますが、私は慰霊登山に一度も行っていませんでした。   
今回登山で行くことになりましたが、さすがに心の準備の必要を感じました。520人が想像を絶する状況に置かれお亡くなりになった事故現場です。それを知っている以上、知らないふりをするわけにはいきません。   
まずネットで事故の概略を確認してから、山崎豊子の「沈まぬ太陽・御巣鷹編」を読みました。この本は人間や企業の描写についてはフィクションですが、事故そのものの取材は徹底していたとのことで、30年経った今、簡単に手に入るまとまった資料です。   

それから、般若心経を現場で読まなければと思い、音読のためにルビを振ってあるお経と、YouTubeにある般若心経(高野山のものと延暦寺のもの)をケータイに録音して用意しました。なぜ般若心経なのかなどと理屈で考える必要はありません。理屈は必要なら後でじっくり考えればよいことです。この国では少なくとも1000年以上このお経がこういう時に読まれてきました。それを読んできた膨大な人々の想いがこのお経には載っていると考えればそれで十分です。   
以上、長い前置きでした。   

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コース  (この地図は国土地理院のホームページの地図をもとに、加工を加えて作成しました)    
今回のコースを検討した時、昇魂之碑から県界尾根(1880m)までの間の勾配がかなり急に見えたので心配しました。しかし実際には特に問題となるほどではありませんでした。   

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  登山口   
慰霊登山の登山道入り口です。   
なおここまで車で入るための道路は冬季閉鎖になります。春はゴールデンウイーク前にならないと開かないようです。出かける前に確認してください。   

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  昇魂之碑   
般若心経を読経。   
登山道は昇魂之碑のある尾根(御巣鷹の尾根)を登って行きます。   

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アセビの花    
昇魂之碑のところから登って行くとしばらくアセビの群落です。   

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シャクナゲのつぼみ   
スゲノ沢から昇魂之碑のあたりまでの斜面にはシャクナゲが植えられていて花盛りでした。   
尾根を登り高度が上がると、写真のようにまだつぼみです。   

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御巣鷹の尾根の登山道    
県界尾根のT字路に登って行く登山道は岩を避けることはありますが基本的に尾根道です。   
踏み跡はとてもはっきりしています。若葉が芽吹いたばかりで明るい雰囲気です。   
勾配は急ですが思っていたより登りやすい道です。   

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  県界尾根の上のT字路   
群馬県側は急な斜面の雑木林ですが、県界尾根まで上がると長野県側はカラマツ林です。   

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  高天原山方面の山並み   
写真中央のピークが高天原山です。このあたりでは一番高い山ですが、あまり知られていない山です。この山の別名は蟻ヶ峰のほかにもあるようです。名前がしっかり定まっていないということは、つまりそれほど登られていないということです。
T字路からこの山への登山道は主に長野県側の斜面で、途中のピークは巻いています。踏み跡はわりとはっきりしていますが、不明瞭なところもあります。
   

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高天原山からの南アルプス   
高天原山には三角点があります。   

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  高天原山からの八ヶ岳   
   
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  高天原山からの金峰山方面   
中央のピークが金峰山です。
眼下に広がるのは川上村の野菜畑でしょうか。   

次は、来た道を戻り日航の頭に向かいます。   

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日航の頭(1922m)    
T字路から日航の頭までの道は良い道です。   
このピークの位置はスゲノ沢のいちばん奥の上です。

また、長野県の三川側から登っていた昔の登山道はこのピークの少し南で県界尾根に合流していたようで慰霊登山の道標がありました。   

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  日航の頭からの両神山   

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  倒木の多い登山道   
日航の頭と大蛇倉山の間の登山道は倒木が多いです。   
しかし道は尾根の一本道なので迷うところはありません。   

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大蛇倉山   
「蛇」の字を見ただけで避けて通りたい気分になるのですが、山頂付近はシャクナゲが多いです。   
頂上の先に展望の良い岩場があります。   

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南相木ダムと八ヶ岳・御座山   
写真右のピークが御座山(おぐらやま)で2112mあります。   

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  上野ダムと群馬の山々   
遠くに霞んでいるのは妙義山や榛名山などです。

 

大蛇倉山で昼食してから下山しました。   
昇魂之碑のところで再び般若心経。ほかに誰もいなかったので、登山口までずっと般若心経を流しながら下りました。   

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上野ダム   
帰りに上野ダムに立ち寄りました。   
このダムは揚水式発電所の下の方の貯水池です。上の南相木ダムとの落差は600m以上あるらしいです。山の地下に神流川発電所があって、そこに発電機が設置してあるのだそうです。外見は静かなダムです。

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